ひろ★読書レビュアー

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書籍レビュー「女性たちが見ている10年後の消費社会」

【女性達が見ている10年後の消費社会】

 

著者     日野 佳恵子さん(株式会社ハー・ストーリィ代表)

Amazon評価 ★★★★☆

私の評価   ★★★★☆ 前半箇条書きが多すぎて読むリズムが悪い点マイナス

             ※但し内容は星5です

 

読んで頂きたい対象:真剣に女性の力を取り入れて行きたい方

読んだ効果:①女性の力を本当に借りたくなる。もしくは女性の躍進を真剣に考えたくなる

      ②女性視点を学ぶ事で先行きに見通しが立てやすくなる

      ③彼女または奥さんの言動の真意が理解できる笑

 

 

マーケティング視点において女性の購買力は大切だと思う人は多いが、

実際には来店客層の傾向だけで女性の購買力を捉えがち。

 

忘れてはいけないのが、女性は家族を含めて「代理購買」を行うということ

子供の服から始まり、友人へのお土産といった関係性維持の消費も女性ならではの

消費のされ方です。

 

また「幸せになりたい」「憧れの人になりたい」等の気持ち消費も大きな特徴

 

男性とは全く違う消費スタイルを持っている女性だが、短絡に女性が優れているとか

では無く、元々は男と女はお互いを補完し合いながら生きていく様に設計されている為

男性はスペック重視、女性は気持ち重視の消費スタイルになっていると著者は解説している

 

本書の構成

  1. 女性に関する統計データから見る近い将来の変化
  2. 女性の買い物に対する影響力の考察
  3. 女性視点のマーケティング事例(ワークマン+、スープストック東京など)
  4. 女性視点マーケティングを理解する上での5つの理解
  5. 女性達が見ている10年後の消費社会

 

女性視点マーケティングは、従来のマーケット分析手法を疑ってかかる事がポイント

男性視点では商品の良し悪しは兎にも角にも「高スペック」である事だが、

しかし女性視点になるとモノを通して「使う事により幸せなれるか?」を見ている

 

スペック重視になるとマーケットは当然のごとくレッドオーシャンになるが、気持ち重視になると未開拓の領域が多く、ブルーオーシャンが広がってくる

 

よって「女性の視点」というものをしっかり理解しないと、今後の消費社会に対応できなくなる可能性が出てくる。その視点について、この本でわかり易く説明されているので是非読んで頂きたい

 

女性の就労率が7割を超える中、ライフステージ別に今後の予測も書かれており、

これまたポイントをついた予測なので、商品開発をされる方は是非参考にしてみてはどうだろう。販売職の方も売り場作りに活かせるヒントになる

 

「女性は消費に大きな影響力を持つ」

よく考えてみれば子供を持つ主婦は買い物の際、常に家族の身の回りで必要なものがないか

考えながら、生活必需品で不足しているものがないかを考えながら買い物をしている。

常に自分の事ばかり考えてる男性とは買物時の客単価がそもそも違う

 

また、ご主人のおしゃれ着にも少なからず影響を及ぼすのが女性の特徴

振り返ると私も奥さんと一緒に買い物に行くと、服選びは奥さんにイニシアティブを持ってかれてます笑

 

代理購買が多い女性の心理を考えたマーケティングが一つのポイントになってきます。

リアル店舗なら売り場・商品の配置に、ネットならば副販する商品の提案として常に意識しておきたいところです

 

「繋がり消費」も女性の特徴

友人付き合い、ご近所付き合い、子供繋がりのお付き合いでも女性は男性と違った消費パターンを持つ。いわゆる「おすそ分け」「ちょっとしたプレゼント」で見られる様な関係性を維持する為の消費も女性ならではの特徴

 

狩猟時代に遡ると力の弱い女性は集団で身を守る習性があった為に、今なおその名残が強く残っていると本書では書かれている

 

他にも女性視点を学ぶコツが紹介されている。

男女別に満足するポイントが脳の構造上の特徴(遺伝子の特徴?)から違っている点にも

注目してもらいたい。特にジェンダー理解については私も含めて分かってるつもりで全く分かっていなかった女性特有の感情についても触れられており、企業の幹部社員には職場環境の見直しを、家庭に置けるご主人の立ち振る舞いや心遣いについて今一度考えるきっかけにして欲しい。

 

私はこの下りを学び、今までの女性に関する謎が全て解けた気がします

そのくらいジェンダーギャップを知る事は、私に大きなインパクトをもたらしました

 

そういった、女性特有の考え方を整理しながら、今後の社会変化を踏まえたマーケティング上のチャンスを本書では紹介している。

 

例に取るならば、

イクメンが少しづつ社会権を獲得している中、夫婦で子育てする上でのニーズ

②オタク女子マーケット

③女性管理職マーケット

 

など、年齢だけで無く、ライフステージ別にマーケットのクラスターを細かく分けながら

今後伸びてくるであろう消費スタイルが女性ならではの視点で提案されており、

新型コロナの影響に先行き不透明なマーケットに対し一石を投じた形で本書は締め括られている。

 

と、ここまで男の目線からこの本の紹介と感想を述べてきたが、女性の方が読んでも

共感できる本なのではないかと思う。自分の気持ちを分かってもらえるというのは嬉しいものだから

 

日本の女性の社会進出は世界の中でも極めて遅れていると言われる中、

是非、この本を手に取って頂き、なぜ女性の活躍が大切なのか?を一度考えてもらいたい

 

固い文章になってしまいましたが、書籍レビューでした!